11手詰(難易度★★★★★)

第78期塚田賞作品


近代将棋'97/7 森田銀杏「塚田賞作品の魅力」より

この形では誰もが33飛、23銀合、25桂、22玉・・・や、 22銀、12玉、13香、22玉、32飛、23玉、34飛成、13玉、 25桂、12玉・・・のように攻めたくなり、初手から25桂と 跳ぶのは24玉で切れそうなので、とても指す気にはなれません。 ところが、24玉に34飛打から38飛と開けば17銀…18香…で 角成の詰形が作れるのです!初形からは想像もできない詰上り。 特異感覚の難解作で、前年の初入選作に続いて二作目も受賞 されたのは見事でした。
岡田敏「心理的妙手を含んだ異色作で、非常な難解作となっている」
兼井千澄「前々期の受賞作と同様に空間をうまく利用している。 ポンと跳ね出す25桂だけに終わっていない」
谷口均「心理的不利感のあるやりにくい手を繋ぎ合わせた異色作。 それが成功して、手数の割には相当な難解作になっている。 守備駒のカラミが全くないギコチなさも、却って意外性を高める役割を担っている」
伊藤果「ドキリとする構成力で目を開かせるが、構図の広がりと不動駒が気になる」